こんにちは。みいです。
アパレル店員の中で「ロープレが苦手」「ロープレがある日は朝から気分が重い」と思っている人はいませんか?
私は所属していた業態の中でトップセラー販売員と呼ばれていましたが、ロープレは大の苦手でした。
ロープレをたくさんすれば、お客様との会話の幅が広がり接客が上手くなるのは分かっているのですが、実際にロープレがはじまる時間になると「できればやりたくない…」と心の中で思っていました。
他のスタッフに見られて恥ずかしい。
時間内にロープレが終わらなかったらどうしよう。
ロープレの後のフィードバッグのときに、先輩からダメ出しされて落ち込むんだよな。
そんなことばかり考えていたことがあります。
嫌で嫌でたまらないこのロープレを、なぜどこのショップでも行うのでしょうか?
それは、お客様のお悩みや不安を解消し快適にお買い物をするためのお手伝いをするために、販売スキルをあげることにあります。
お客様がご購入を検討している商品が「自分にとって価値のあるものか」と迷われているときに、アパレル店員が商品の魅力や価値をうまく伝えられなかったりしたら、お客様はますます買い物することを迷ってしまい、なにを購入すれば良いか分からなくなってしまいますよね。
そのようなことにならないようにロープレをして、接客スキルを向上させる接客のトレーニングを重ねていくのです。
ロープレとは
ロープレ=ロールプレイングとは「role(役割)」と「playing(演じる)」の意味で決められた時間と設定の中で、お客様役とスタッフ役に分かれ、実際におこりえる場面を想定し役割を演じてみることで、自分の強みと弱みを可視化しながら強みは伸ばし弱みは克服するようにするためのトレーニングのことです。
ロープレは、目標や目的なく行ってしまうと時間だけを消費し、無意味なトレーニングになってしまいます。
接客スキルを効果的に向上させるためには、自分自身の接客レベルを把握し不得意とされる客層やアイテムを具体的に絞りながら、克服できるような目標設定をすることが大切です。
まずはロープレの基本のチェック項目を理解するところからはじめましょう。
そしてこの機会に自分のロープレを見直してみましょう。
基本のロープレチェック項目
ご挨拶
気持ちの良いご挨拶からはじまるロープレは、お客様役のスタッフもワクワクした気持ちにでスタートできます。
良い印象でロープレをスタートすると、その後のウォッチングやアプローチが上手くいかなくてもカバーできるので笑顔でご挨拶してみてください。
ご挨拶のチェックリスト | |
① | お客様の入退店にすぐに気づき、三分咲きの笑顔で動的待機を行いながら気配りができている |
② | お客様に向けた笑顔と会釈があり、気持ちの良い「いらっしゃいませ」が言えている |
ウォッチング
「ウォッチングをしなければ」とお客様役を直視しながら追いかけてしまうと「急かされている印象」になってしまいます。
お客様役とほどよい距離感を保ち、微笑みながら「なにに興味がある」のかを観察しましょう。
ウォッチングのチェックリスト | |
① | 三分咲きの笑顔でお客様を観察し、適切なタイミングでアプローチができる距離を保てている |
② | お客様の行動と洋服や小物の好みから、お客様のニーズを推測できている |
アプローチ
時間が足りなくなるかもと心配して「魅力的なアプローチ」のないままフィッティングを急いでしまうと、アプローチ不足と判断されてしまうので気をつけましょう。
アプローチのチェックリスト | |
① | お客様にとって適切なタイミングと距離感で、魅力的なアプローチができている |
② | アプローチ中に、フィッテイングへの促しがスムーズにできている |
ヒアリング
ヒアリングするときは「話をまとめて」お客様役に質問しましょう。ニーズ確認と商品確認を思うがままにお伺いしていると、話が二転三転してしまいます。
通常の接客では個性として受け入れていただけますが、ロープレでは気になるポイントを絞ってヒアリングするのが好印象です。
ヒアリングのチェックリスト | |
① | お客様が、どのようなシーンで着用されるか確認し、そのシーンに共感できている |
② | ①に共感できる知識や経験を持っている |
③ | お客様が、どのようなシーンで着用するかヒアリングできている |
④ | ③でヒアリングした内容を、お客様と同じ目線でイメージできている |
⑤ | お客様の好きなティストを確認し、色/シルエット/バランスなどの洋服の特徴を詳しくヒアリングできている |
プロポーザル
プロポーザルをするときに大切なのは「共感しながら提案」することです。お客役と同じ目線・同じイメージになっていないと「ありきたりのオススメ」になってしまいます。
ヒアリングしながらイメージを膨らませ、お客様役のご要望を叶えることを意識しながら、一方的な提案をしないようにしましょう。
プロポーザルのチェックリスト | |
① | お客様のニーズに合わせて商品の特徴を魅力的に伝えられている |
② | お客様の目的/好みを考慮し、イメージが膨らむようなコーディネート提案ができている |
③ | お客様がなぜその商品に興味を持っているかを理解し、商品のメリットを的確にオススメできている |
④ | お客様にとってのデメリットをメリットに変換してお伝えできている |
⑤ | お客様の潜在ニーズに気づき理解できている |
⑥ | お客様のお悩みをヒアリングし、お悩みを理解した上で解消できている |
⑦ | お客様にとって心地よく、分かりやすいお褒めの言葉をかけられている |
⑧ | ご要望をお伺いしながら商品を絞り込み、オススメすることができている |
⑨ | フィッティングを的確に行い、適切なサイズを提案できている |
クロージング
お客様役が「購入しようかな?」という雰囲気を感じたときに「購買動機となる最後のプッシュ」と「気のきいた一言」が言えるか言えないかで、ロープレの印象が大きく変わります。
ロープレの最後の後押しの一言は、いつも使っている鉄板フレーズではお客様役に響かないこともあるので、日頃からあなたの魅了が伝えられうような「クロージングフレーズのストック」を作っておきましょう。
クロージングのチェックリスト | |
① | お客様から伺った内容を踏まえ、購買動機となる背中を押す一言を伝えられている |
② | 商品のお手入れ方法やお修理などのアフターケア/アフターサービスを伝えられている |
③ | ご購入決定時に「ありがとうございます」に加え、この商品を買って良かったと感じていただける一言を伝えられている |
金銭授受
金銭授受までロープレをするということは「レジフローの確認」かポイントカードやクレジットカードの「新規のオススメ」ができているかの確認の意味で行うことが多いです。
ポイントカードやクレジットカードのオススメは、説明が長くなってしまうことが多いので「簡単に入会できるメリット」を中心にお伝えしてみてください。
金銭授受のチェックリスト | |
① | 正確さはもちろんのことスピーディでスマートなお会計ができている |
② | お会計中にお客様と会話をしながらコミュニケーションが取れている |
お見送り
お客様役が気持ち良く退店できるように「最後の最後までお客様役がワクワクするような一言」をそえてお見送りしましょう。
お見送りのチェックリスト | |
① | 感謝の気持ちを込め「ありがとうございます」と伝え、両手でショッパーをお渡しできている |
② | お客様と信頼関係を築けるように、名刺やショップカードをお渡ししできている |
③ | 再来店を促し、印象に残る一言を添え、笑顔でお見送りができている |
④ | お客様が笑顔で退店できている |
フィードバック
ロープレのフィードバックは、販売員役から「良かったところ」「できなかったところ」「今後の課題と改善点」を聞いてから、お客様役と教育担当者が「良かったところ」と「○○が改善されればもっと良くなる」というようにアドバイスを行います。
フィードバックは重要ですがミーティングのように長い時間行ってしまうと、課題点が分かりにくくなり「何から修正してどうすれば良いか分からない」状態になってしまうので、短時間で端的に行うようにしましょう。
ロープレのフィードバックリスト | |
① | ご来店時の店舗状況を踏まえ、その時にできる最良の行動を考え販売体制を整えられている |
② | お客様の表情/話すスピード/行動に合わせられている |
③ | お客様のに誤解を与えるような表現/表情/態度/言葉遣い/アナウンスなどをしていない |
④ | お客様の言葉/ニーズ/お悩みなどに共感し対応できている |
⑤ | 個性を感じていただけるような接客ができている |
⑥ | 商品の魅力が伝わるような商品の持ち方/扱い方/魅せ方ができている |
⑦ | 接客中に他のお客様や他のスタッフが接客するお客様への配慮ができている |
⑧ | 他のスタッフの状況を把握しお互いをフォローしながら、全てのお客様にチームでおもてなしできている |
ロープレはウォッチングからクロージングまでの、苦手な部分を可視化するだけでなく、苦手な客層も分かるようになっています。
苦手なことを克服すると、自分自身の接客に自信が持てるようになり、お客様に喜んでいただけるチャンスが広がります。
ロープレは続けているうちに上達するものです。
今日できなかったことを明日できるように頑張って続けていくことができれば、接客スキルは確実に上達していきます。
そして、何よりも大切なことはロープレを上手にすることではなく「お客様に喜んでいただけるようなスキルを身につける」という意識を持つことです。
自分の強みを褒められたら嬉しいですが、弱みや苦手なことを指摘されると落ち込んだり、さらにロープレに対して苦手意識が強くなることもありますよね。
初心者販売員の頃は、入店が少ない閑散時間が来るたびにロープレに呼ばれ、ロープレのために課題を整理したり、克服するためにロープレを繰り返すことに疲れてしまったり、自分の接客に自信をなくしてしまう人もいるかもしれません。
今は自信をなくしてしまっていても、ロープレに慣れてくると時間内に的確な受け答えができるようになるので、接客のときにお客様からの急な質問にも対応できるようになったり、お客様の潜在ニーズまで早くたどり着くことができるようになります。
ロープレとは、お客様に喜んでいただくためのトレーニングと受け止めて取り組んでいきましょう。
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