こんにちは。みいです。
「おもてなし」という言葉はアパレル業界だけでなく、ホテル/飲食/生活雑貨などの業界でも当たり前のように使われています。
「おもてなし」の定義は諸説ありますが、安土桃山時代の茶人として有名な千利休の「利休七則」や明治文化の「粋の美意識」が大きく関係しています。賢人の教えは現代にも受け継がれ、海外の方々から日本人の礼儀やマナーは素晴らしいといわれる所以なのかもしれません。
「おもてなし」という言葉が、日常生活でも当たり前に使われるようになってから「おもてなし接客をしよう!」や「おもてなしの心を持ってお客様に喜んでいただこう!」と目標を掲げているショップも多々あると思います。
アパレル販売員が目指す「おもてなし」とは「お客様に心から感謝しマナーが良く親切で丁寧」そして、「お客様の喜びを感じ欲求を満たす」ことにあります。
言葉にすると簡単な「おもてなし」という言葉の本当に理解し、自然に身につけようとすると「本当に自分におもてなし接客ができるだろうか?」と不安になることもありますよね?
かつての私も「おもてなし接客ができている」と思っていただけで「おもてなし接客を意識しているつもり」になっていた時期があります。
それになぜ気づけたかというと、お客様からいただいた「ここまで親身になってくれて感動した。こんな接客をはじめて受けた」という内容の「一通のお手紙」がきっかけでした。
お客様からお手紙をいただいたときに、私自身もそのお客様のことを鮮明に覚えていました。接客の内容、お客様と共感できた時間、ケラケラと笑いながら雑談をする中で「アパレル販売員になって本当に良かった」と心から思えた瞬間だったのです。
それから「おもてなしの心」は、目の前のお客様を喜ばせたいという「ホスピタリー精神」と同じと考えれるようになり、お客様の「喜びや楽しさ」だけでなく「苦しく辛いこと」があった時にも、自分のことのように共感できるようになったのです。
おもてなしの心を身につけよう
これまでの接客は「お客さまの欲しいものを丁寧に販売すること」でした。
しかし、欲しいものをオンラインサイトで気軽に買えるようになってからは「お客様がショップで購入する意義」を考え「お客様の期待に応える高いレベルの接客」を追求する時代になりました。
お客様の期待に応えるためには「どれだけ目の前のお客さまに寄り添えるか」と「そのお客様の心地よさを想像できるか」が重要になってきます。
「おもてなしの心」が自然と身につくようになるには、とても時間がかかりアパレル販売員自身が「おもてなしの心」を高く意識しないと決して身につきません。
販売初心者だけでなく、キャリアあるベテラン販売員も「おもてなしの心」を継続し続けることは、とても難しいことですが、これらは接客の基本中の基本と考え「おもてなし」の基礎を構築させましょう。
アパレル接客の基本5項目
アパレル販売員として、お客様を接客するときに大切なことは「全てのお客様に敬意を払い、ショップに足を運んでいただいたことへの感謝の気持ち」を忘れてはいけません。
特に下記の5項目は「おもてなし接客」をする上で欠かせない項目になりますので、高い意識を持って「お客様最優先の行動」を心がけましょう。
- 真心と感謝
- 礼儀とマナー、言葉遣い
- 親切で丁寧、謙虚に対応
- お客様の喜びは自分のことと肝に命ずる
- お客様のお役に立ち欲求を満たす
目に見えずすぐに形にならないものだからこそ、身につけば自分自身の最強の武器となりお客様に喜んでいただける場面がグッと増えます。
「もし自分がお客様なら、ここまでされたら感動すると思うことを誠心誠意おこない、こんなことは絶対されたくないと思うことは絶対にしない」ことが、「おもてなし」ができるようになるための第一歩です。
真心と感謝
- 真心=偽りや飾りのない心。真剣につくす心。
- 感謝=ありがたく思って礼をいうこと。心にありがたく感ずること。
お客様に真心を込めて「ありがとうございます!」と感謝をしたり、お客様を第一に考えた献身的な接客は、お客様の心をつかみ「また来たい!」「また同じ販売員に接客して欲しい!」と思っていただけるようになります。
アパレル販売員として当たり前のことですが「真心と感謝」の気持ちを持って接客することは、接客スキルを磨く前に身につける最低限のマナーです。
礼儀とマナー、言葉遣い
「親しき仲にも礼儀あり」の言葉通り、どんなにフランクで友達のように接してくださるお客様でも節度(行き過ぎのない適当な程度)をわきまえましょう。
どんなに親しくなった相手に対しても、常に適切で程のよい距離感を保ち、その場の空気を読んだ所作で対応しなければなりません。それはお客様にもメンバー対しても同じです。
また、美しい日本語と正しい敬語は安心感と心地よさを感じていただけます。目上の方や人事に関わるお仕事をされていらっしゃる方は、言葉遣いを気にされる方が多いので特に気をつけましょう。
「お待たせしております」「こちらのほうで宜しかったでしょうか?」などは丁寧な敬語のように感じますが、過去形会話は正しい日本語ではないので適切な表現ではありません。思い当たる人は今すぐ改善しましょう。
親切で丁寧、謙虚に対応
どんなに忙しい時間でも笑顔で「お客様のご要望にお応えしたい!」「お客様の希望を叶えたい!」という気持ちで丁寧な接客すると、お客様は「ここまで対応してくれるの?」と感動してくださいます。
また、親身に相談を受けることで「親切な対応をする人」と好印象な接客ができるようになります。
アパレル販売員として、当たり前のことを当たり前に行動し続けることは本当に難しいことです。
どんなに接客上手な売れる販売員になっても、謙虚な姿勢で接客し続けることも大切です。
お客様の喜びは自分のことと肝に命ずる
お客様は「ご希望の商品が見つかったとき」「その商品がとてもお似合いだったとき」「楽しい時間を一緒に過ごしお見送りするとき」に、とても喜んでくださいますよね。
自分が買い物に行ったときに「楽しく心地よい接客」を受けたら同じような気持ちになるでしょう。
その気持ちや感覚を思い出し「お客様が喜ばれる瞬間」を自分に当てはめてみましょう。
はじめは意識しないと「お客様の喜び=私の喜び」と思えないかと思いますが、売れる販売員たちに共通しているのは「お客様の喜び=私の喜び」と思うことが自然にできているのです。
お客様のお役に立ち欲求を満たす
お客様のお役に立つとは「お客様のご希望の商品を的確に提案」し、ショップにご希望の商品がなければ「オンラインサイトや競合他店の情報をお伝え」したりと「この店に来て良かった!」と思っていただけるような「付加価値」の高い接客をすることです。
お客様が安心して的確なアドバイスや情報/サービスを受けられれば、もしご希望の商品がなくても潜在欲求は満たされます。
人は欲求が満たされると相手に対して好印象を残し、そのモノのファンになるものです。
「おもてなし接客」は短期間で習得するのは難しいですが、自然とできるようになるまで意識して続けることが大切です。心をこめて自分らしい「おもてなし」ができるようになるまで一緒に頑張りましょう!
今は接客することに自信が持てなくても接客の基本を理解し行動していれば、いつかきっと「お客様のお役に立ち、お客様の欲求を満たす」ことができる「売れる販売員」になれますよ。
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